いつだかの流星群【2023年8月19日】

もういつの記憶だか思い出せないけど、夏になると思い出すことがある。

果たして夏の出来事だったのかも定かでないが、寒かった記憶はない。

荻窪の四面道のあたりにシナジージャパンという昔所属していた会社があった頃、流星群が見られるというので誰が言い出したか忘れたが仕事の手を止めてビルの屋上に登って見物したことがあった。

そもそも本当は屋上に上がってはいけない筈だったと思うが、施錠がされていなかったのか皆で出て寝転がって見ていた様に思う。

天気が良かったのだと思うが、結構な数の流星が空に軌跡を描くのを見ることができた。

もういい加減、数も少なくなりそろそろ戻るかと腰を上げる者も出始めた頃、一瞬、空全体を明るくする様な大きな流星が過ぎていった。

空想の中でしか見られない様な流星で、後にも先にもあんなに大きな流星を見たことは、それきりない。

空想で描かれる様な風景は案外現実に起こったりするのだなと思って今でもたまに思い出す。

夏もだんだん終わりかけてきた。

夏は嫌いではなかったのだが年々強くなる日差しが年齢のせいかしんどくなってきたので短めに済んでくれてもまあ良いかという気になる。

外に出るのも億劫になってしまっている。

夏の間にやらねばならぬことは、そろそろ頑張って終わらせないと。

夏の間しかできないこと…もあまり無い、特に最近はと思うのだが。

かき氷だって一年中やってるし。

雨が降ってきた。

日差しを楽しむ時間も必要かもしれない。

重なるものは重なる8月11日

絶対に洗濯したいものがある、という時に限って洗濯機は壊れるは激しく雨が降るは…でなんでかなぁと思わなくはないが世界はそういうもんだよな。

猫たちは仕事をし始めると構え構えと叫び出すが、いざ遊んでやろうと猫じゃらしを持つと寝始めたりする。

今も横で三毛猫が鳴いている。

梅雨があんまりなかったから雨が降るのは歓迎だ。尋常でない暑さを少々和らげてくれた。

買っておいた葡萄を夕食のあと食べる。

食事の後だと一房食べるのは、さすがに重く…しかし全て平らげてしまい、猛烈な眠気に襲われてしまう。

食べるととにかく眠くなるというのは、まあ健康なのだろうか。

胃に血流が集中して脳味噌に回している余裕がないわけだが、血液が仕事を終えると脳も活動の許しを得るわけで変な時間に目が覚めたりすることになる。

お酒を飲んで何かを食べるとしばらくするうちに必ず眠くなるので、よく寝ているところを写真に撮られて見せられる。

まあしかしお酒を飲んで食べるという快楽を半減させるのはしのびないので、食べてしまうし、眠くもなる。

先日、何となく眠れなかったのビールを飲んでいて何となく映画が見たくてAmazonプライムで新藤兼人の「濹東奇譚」を見た。

昭和初期あたりから戦後くらいの話で正面切ってはあまり出てこないが戦争の影を描いていて、今興味のあるところと重なる。

ウクライナの戦争を見ていて何となくウクライナ関係の本を読んだり、辻田真佐憲「戦前の正体」、宮崎駿「君はどう生きるか」とかたまたま戦争について考えることが多かった、夏だからというのもある。

中公新書の「物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国」黒川祐次 著は、独立前のウクライナを知るのにとても良い。

濹東奇譚は、戦前の価値観みたいなものが老いていく荷風に重ねられて荷風が老いを認めて女を諦めていく様がとても良い。

濹東奇譚は売りはエロだったのだろうと思うが、大島渚の愛のコリーダと比べると愛のコリーダの方が圧倒的に華やかだ。

しかし濹東奇譚の方が何とも言えない情感が描かれている。

お雪の女優さん、墨田ユキがとても良い。

老いを描いている作品は若い頃見ても全くピンとこなかったが、今は実感と共に分かる様になった。

老いについてはともかく、戦争については、もうしばらく考えたり調べたりすると思う。

8月に入ったなあ、6日。

どうにも暑い日が続く。

先日打ち合わせに行った時に日傘を忘れてしまって(帰りは夕方だった)ますます外に出るのが億劫だ。

とはいえ、夏はいろんなイベントがやっているので行きたいなあとも思う。

今年の前半は見たい映画をほとんど見られなかった。

後半は少しは見いけると良いのだが…。

バービーはマーゴット・ロビーとグレタ・ガーウィグなので、何はともあれ見たい。

少し前に半分仕事の資料、半分趣味で買った本、「語り芸パースペクティブ」(玉川七奈福:編著)は大変面白い。

頭の篠田正浩監督の義経の話から、節談説教、瞽女唄、説教祭文など知らない語り芸の話や、落語でも江戸と上方の違いなど興味深い話が沢山のっている。

実際には実演込みで話を聞くというイベントの書籍化なので実演が見られないのが残念なのだが、それでも十分読む価値がある。

書籍にイベントのダイジェスト映像へのURLも載っているので片鱗は楽しめる。

活動写真弁士も語り芸の一つだろうし、日本には沢山語り芸があるらしいので色々見てみたいものだ。

仕事の方は残念ながら実現しなかったので多少集めた資料は無駄になったのだが、まあどこかで供養する日もくるだろうと期待しよう。

海が見たい

暑くて暑くて買い物に出るのも躊躇してしまう。

仕事で外に出ることが極端に減ったので助かっている。

自分が子供の頃は、暑い日でもせいぜい30度くらいだったものなぁ。

ほんとに温暖化してるんだな、と。

暑くてマスクするのもしんどいので、そりゃあコロナが流行るのも仕方ない。

庭木は元気に枝を伸ばすが日中に手入れするのはなかなかしんどい。

しかし、果物は大変美味しく感じる。

桃、スイカ、葡萄…。

果物じゃないが、麺類も。夏の素麺は最高である。

私は日傘を愛用する様になって、しばらく経つがたまに男性が日傘を差している姿も見かける様になった。荷物にはなるけどとても快適。

コロナだったから、という訳でもなく元々出不精なので旅行もあまり行ってなかったが、これだけ暑いとすごく海が見たくなる。

子供の頃は海のそばに住んでいて泳ぎに行かなくなっても海を見ながら歩くのは気持ちの良いものだった。

新潟の海は夏でも雲があることが多くて、爽やかさはあまりないかもしれないが潮の匂いが流れてくるのを感じたり、砂浜で遊ぶ人を眺めたりは楽しい。

日傘を差して海を見ながらビールを飲めたら最高だ。

仕事の方は絵コンテをちまちまと描いているくらい。

映像が完成するのは随分と先になると思うが。