メール拝読しました。
ありがとう。とても嬉しかったです。
このブログを読んでくれると信じて、ここで簡単ですが返信します。
アイカツが好き、というその言葉にいつも我々は励まされています。
テレビの前に座っている30分ほどの間だけでも、見てくれた人が楽しければ良い。と、小さな野望を目標に私たちは番組を作っていました。
テレビの初回から10年以上経って、まだファンから覚えていてもらえる様な作品ができたことは望外の喜びです。
作品を作っているとき、果たしてこのアニメーションが何か人に喜びを与える事ができるのか、絶望を和らげる事ができるのか、不安でならないというのは大袈裟ですが、確信を持っていることは有りません。
作品が観客に出会って生まれた思いを我々が知り得る方法は限られています。その思いの一端を知り得る事が出来て、しかもそれが前向きなもので有るということは我々に勇気を与えてくれます。
星宮いちごに負けず劣らずドラマティックなあなたの人生に少しでもアイカツが加勢できたのなら、こんなに嬉しいことは有りません。
さて、アニメ業界はいまだに胸を張っておいでなさい、といえるような場所ではないですが、昔よりは随分過ごしやすくはなりました。
また、この業界は狭いもので出会いもそこかしこに転がっていると思います。
激動の世界の中で、日々やりたいことや、やれる事が変わっていくのはよく有る事だと思いますし、まずは気楽にやってみる、というは星宮いちごの精神でもあり、私の心情です。
ダメなら引き返せば良い。
あなたの道に幸があることを心より祈っています。
アイカツ!監督 木村隆一
タグ: アイカツ
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ラジオに送り損ねたファンメールをくれたお嬢さんへ【2025年04月13日】
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植物日記・ラジオ出演・緊張の初作業【2025年04月10日】
しばらく前の雨で痛んでいた地植えのプリムラジュリアンは、やはり復活せず。残念。
近くに植えていたアワユキエリカ・プリティーレッドも気づいたら枯れかけていて、これも多分雨の影響。
アネモネはたくさん花が上がってとても華やか。
ラナンキュラスは花が大きくて持ちもよく、春を彩っている。
蕾は沢山上がっているのに全然咲いてくれなかったオステオスペルマムも花弁が開き始めて咲いてくれそう。温度か日光の問題だったのかもしれない。
買ったまま植え替えていない苗が沢山あるのだが、暖かくなってきてしまって早く植え替えないとまずい。
ビニールポットは水切れが早くて、気をつけていないとすぐ調子が悪くなってしまう。
土を買ってこないと植え替えできないのだが、買いに行く暇がない。
週末にはなんとかしたい。日曜に出演したラジオ番組が流れた。
来週も私がゲスト。
依頼が来て収録まで間がなく放送も近かったので大丈夫なのかと思ったが割と楽しく話せた。
ラジオに出たのは10年以上前にアイカツ!の番宣的にニッポン放送のミューコミに出て以来だと思う。
スタジオの作りは結構違っていて、スタジオの一角に調整卓がありディレクターなどもそこにいた。
収録用のスタジオだからなのかもしれないが、いろんな形があるんだなと知る。
MCの檜山さんは非常に穏やかで良い方だった。学生の頃アイカツスターズ!を見てくれていたとか。
共通の趣味があったのだが、それは来週のネタとして使われていると思う。
たまに喋る仕事は刺激になって楽しいのだが、ラジオの仕事とか来ないだろうか。
私だけじゃ聞く人いないだろうけど。月曜は緊張の初作業。
アニメ制作の一部ではあるけど、自分ではやったことのない役職を担当することになり、最後までアワアワしてなんか頭が真っ白になった瞬間もあったが、予定より早めに終了する事が出来たので周りは上出来だろうと思ってくれた様だ。
もう少し細やかに何か出来たのではないかという後悔はあるが、悪くはないものになっている筈。
来週はもう少し落ち着いて出来ると思う。
久しぶりに非常に緊張感のある仕事になっているが、上手くいけば良い作品になる予感を強く感じている。 -
Precious【2025年02月25日】
時間が経てば大人になったり忘れたり、だいたいのものは変わっていくものだけれど、何かしらずっと残り続けたり変わらないことを発見すると、それは特別なのだということが伝わる。
その変わらないものに自分が関与している時、嬉しい様な申し訳ない様ないたたまれないような、なんとも言えない気分を感じることがある。
自分が関与していたとて、それはその人のものでその特別はその人が作りあげたものだから私の手柄では無い。しかし関わってしまっていて、あまつさえ感謝されたりするのは重たくのしかかってくる様に思えることもある。
自分に、これ以上出来ることはあまり無いと思うと途方にくれる。
しかし、その何かしらの特別を人の中に発見した時、もう少し頑張ろうか、という気も少し湧いてくる。
途方に暮れつつも探り探り、もう少し歩いてみようか。
週末に下地紫野のライブに行った。
何か溢れて言葉が出てこず会わずにそのまま帰った。
良いものを見た。 -
仕事正月【2025年01月06日】
久しぶりな気がするくらい仕事が切羽詰まっていて正月もゆるゆると仕事をしていた。
この稼業を始めてからは正月早くから働いていることは珍しくなかったけど、最近はそこまで切羽詰まった状態で年を越すことはあまりなかった。
立場が変わったからという理由や働き方改革とやらの恩恵もあってだろう。
しかし今年はハプニングもあり仕事の進行が遅れていて、後が厳しいことが見え見えなので集中力はやはり欠けるけれど、ずっと仕事をしている。
仕事初めも何もあったものでは無い。
とはいえ、年末はアイカツ!のイベントが幾つかあったりしたせいか年を越した感は味わえた気がする。
「外れスキル木の実マスター」が明日からオンエアだが去年の後半はその仕上げもあったりでいつになくバタバタしていた。
今年も今年も似たような仕事の進行で過ぎて行きそうだけれど、去年より少しやることが多いのでヒヤヒヤしている。
とにかく体調を崩さないように気をつけないといけない。
最近はなかなか体調を維持するのが難しい。歳なのでしかたないのだろうが、ストレスの影響を受けやすくなっているのがなんとも。
大風邪とか引くことはあまりない。コロナも未だに罹っていないので、それは良いことである。
年末の園芸店のセールで買い物は出来た。欲しかったアガパンサスは買えたが、寒さにあまり強く無いのをわかっておらず地植えしたオキザリスがもう枯れそうで悲しい。いい色のカラーリーフだったのだが。オキザリスはカタバミの仲間なのだが、カタバミは普通に冬も生えているし原種は強いんだな。
仕事をしていたので殆ど本は読めていない。
読みたいものはあるが、なかなか追いつかない。
今年は忙しくてあまり外にで開けることもままならないかもしれない。
絵コンテ学習用の資料だけは何とか早めに作りたい。
作ったところでどこでどうやって教えるかというアテもないのだが。
去年の元旦は能登の震災があったりで、幸先の悪い正月だったが今年はそういう意味では何も無かったのが何よりだ。お隣の韓国では飛行機事故があったが、まったく気の毒だ。
プリキュアの次回作が色々発表になって話題になっているようだ。
多少、事前に知ってはいたのだが、まあそりゃあ話題になるだろうと思っていた。
加藤陽一がシリーズ構成でアイドルものなのだから、実質アイカツ!と言われてもそうかもね思う。
私はプリキュア的には今千秋が監督である方が重要な気はする。
プリキュアシリーズは基本的に投影の生え抜きの監督を採用してきたので外様で女性の監督は非常に意欲的。
今さんはセーラームーンを担当していたので使いやすいという理由もあるのだろう。
キャストに高橋未奈美が入ってますますアイカツ!界隈とプリキュアとの融合が進んでいて個人的には面白い。スタッフ側にも元アイカツ!チームはいるので。
加藤くん含め皆んな人気者なので何の違和感もないだろうが。
年月が経つとライバル関係だったチームも関係が変わってきて、おおそんなことが、ということが起こる。
加藤くんの起用もその一つ。もう少し早く起用されるかと思っていた。
私のところへ監督のお鉢が回ってくる事は永遠にないだろうが。
パソコンが新しくなって普段使っているソフトの中で3Dのモデルを動かしてもあまり重くなく扱えそうなので、コンテの描き方も少し新しいことに挑戦できるかもしれない。
モデルを作るところから始めるのはハードルが高いのだが…。
はて、あまり欲張りすぎず出来ることから実現していきましょう。 -
アイカツライブ・トットちゃん【2024年12月23日】
もうすぐクリスマスというか、お正月。
やばい。仕事が。
先週の日曜日はアイカツ!のあかりジェネレーション10周年を記念したライブ「キラッキラ」へ。
10周年…いやぁそうですか。
アイカツ!が放映されていた期間は3年半くらいでもうその三倍の時間がたったということなんだな。3年目以降があかりジェネレーションだからそこから10年ということですか。
ライブはメインのアイドル担当の役者の皆さんが全員集まってくれるという奇跡のようなブッキング。
流石に公演時間が伸びまくって4時間というのは申し訳なかったが、楽しんではもらえたのではなかろうか。
私も皆んなの元気そうな顔を見て安心した。
荊棘の女王が久しぶりに聞けたのも満足。
久しぶりにアイカツ!絡みの仕事が沢山ある年末だった。しかし、この調子で記念イベントやってると毎年なんかありそうで、ファンの皆さんは大変だな。
ここのところ久しぶりにアニメ映画を見た。といっても最近のものではなく見逃していたものを幾つか。
まずは窓際のトットちゃん。
これは良くできていた。
ベースは地味な話であると思うのだけれどイメージシーンなどを上手く使ってアニメらしい飛躍した表現も交えつつ娯楽としても十分楽しめるようなつくり。
アートアニメの要素を巧みに取り入れて、表現の幅が広い。
日常芝居の表現はジブリ的な流れの最先端と言えるのかもしれない。
身振り手振りは少し大きめに表現されていて、それが作品の方向性とうまく嵌っているし芝居のアイデアも豊富でかなり丁寧に手間をかけた芝居作りになっている。
一般のお客さんが見ても分かりにくいかもしれないが、ここまでやるか!というくらい大変なことを丁寧に作り込んでいて感嘆した。
演出はオーソドックスなことをしっかりやるという方向性で、これを教科書に演出を教えれば基本は網羅できるんじゃないだろうか。
映画館で見なかったことを若干後悔した。
きみの色、化け猫あんずちゃん、も見た。
たまたまだが日常芝居に対する思想の違いが分かりやすくて面白い作品たちだった。
きみの色は、リアルで地味な芝居を真正面からトライしている。トットちゃんとは真逆の芝居作り。
しかし、ここまでやれば素晴らしいと思えるくらいにやり切っていてすごく好みな芝居作りだった。
ロトスコープではないけど、リアルな方向を目指している。
ちゃんとアニメらしい派手さのある芝居も用意されている。
興行成績が振るわなかったのはシナリオ的な問題が大きいのかもしれない。
一方、化け猫あんずちゃんはロトスコープを使ってファンタジーの世界を描くという変わったアプローチ。
きみの色とは逆の思想、トットちゃんの方が近い。
ロトスコープを使うことによってファンタジーにリアリティーを与えようとしているのだろうと思うけど、山下敦弘氏が元々やりたかったという企画らしいので、山下氏の能力を活かすためのロトスコープという技法という側面が大きいのかもしれない。
アニメーションの監督として久野遥子さんが立っているが、日常芝居に関しては久野さんの良さがロトスコープによって縮減してしまっている感は否めない気がする。
あと、単純にセリフの間がロトスコープの映像をまま使っているようで会話が間延びして感じる箇所が少なくなかった。人間の役者が写っている場合は間の仕草などで間が気にならない可能性があるのだけど、アニメのキャラクターに置き換えた時に上手く間のニュアンスが伝わらないということが起こっているのかもしれない。
鬼のような現実にないキャラクターはロトスコープによって現実感が増していると思うが、逆にどこで飛躍させるかの判断の難しさを感じた。
ロトスコープの良い面、難しい面が分かりやすく出ている。
トットちゃん、きみの色、あんずちゃんと見比べるとアニメーションにおける日常芝居のリアリティーを考える上でとても面白いと思う。
この週末の土曜日は恒例になった声優のワークショップの講師。
演出家という職業は分かりにくいので、それについての講義にしている。
結局2時間くらい話してしまうのだが、それでも毎度これも言っておけば良かったなと思うことが残ってしまう。
やるたびにまとまって分かりやすくはなっているとは思うが、どうだろう。 -
オールナイト上映【2024年12月14日】
昨日の夜はアイカツ!をオールナイトで見ようというイベントでのトークショー。
テレビ数話と映画2本という内容。
どうも知り合いの親子まで参戦していただいていたようで、恐縮だ。
トークはバンダイの原田さん中村さんが参加してくれたため、あまり話したことが無いような話もできたと思う。
とくに中村幸恵さんは企画の対上げから関わっていて中村さんともうお一方でタイトルを決めたということらしい。
ナムコに入社してバンダイ・ナムコへという流れの人でアイドル活動など初期の曲を作成したMONACAも元々ナムコの音楽チームで旧知の間柄。
脚本・加藤さんも比較的初期から参加していて私はアニメの企画が持ち上がってからなので結構参加は遅いのである。
楽屋では当時の思い出話に花が咲いたといいつつ、皆んな結構色んなことを忘れていて記憶をすり合わせていたという感じ。
オールナイトは流石にしんどいので今朝は、朝イチの回で劇場版を見た。
映画館のある建物に向かう高校生二人組がいて、あきらかに映画館に向かっている様子。
いやあ、アイカツ!を見にきてくれたのかと感慨深く後ろから眺めていた。しかし彼女たちはアイカツの部屋には入っていかず苦笑。だが、アイカツの劇場の中も私以外にオジサンが一人いた他は高校生くらいの女の子だけ。
劇場版は色んな形で結構何度も見返してはいるのだけれど、色々忘れていることも多くて新鮮。
音響はやはり映画館で聴くのが良くて歓声などは結構後ろの方まで広げて作っているのが分かりやすい。
冒頭のライブの後の歓声は黒沢ともよちゃんと思しき声がすごく目立ってるのが分かる。
同じところで美月と学園長の裏でずっとステージのMCが聞こえるのだけれど映画館なら聞き取れそう。
10年前の映画ということで、今だったらもう少しこう出来るということも映画館で見ると気になってしまったりはしたのだけれど、出し惜しみせず出来ることはやり切っていたのは好感が持てる我ながら。
何より一緒に見ていた女の子たちが映画が終わると同時に、感想を話し始めていたのが嬉しかった。 -
さっっっむい【2024年12月12日】
本格的に寒さが増してきた感がある。
昨日の朝、買ってきたまま放ってあったアガパンサスの植え替えをしたのだが、もう寒くて園芸作業はちと及び腰になってきた。
アガパンサスは地植えにしようか鉢にしようか迷っているうちに時間が経ってしまった。
さすがに植え替えるなら早くしないとまずいということで荒い色付けのしてあって汚れても味になりそうな良い感じの素焼き鉢を発見したので買ってきて植え替えた。
ひと月ほどビニールポットのまま放ってあったので根が結構回ってしまっていて根鉢を崩して植えたのだけれど、アガパンサスは強いと聞くので無事に大きくなってくれると願いたい。
しかし、ここまで寒くなると暖かくなるまではあまり成長しなさそう。
もう少し早く植え替えるべきだった…。
うどんこ病にやられたチョコレートコスモスはじわじわ枯れ込んでちょっと復活は難しそうだ。
元々大きな株で鉢も大きめのものに飢えていたのだが、水切れが悪いのでダメ元で小さめのスリットポットに植え替えたのだが希望は薄い。
うどんこ病によく効く薬はあるのだけれど、薬を撒くのも結構手間がかかって難しいので、割と何にでも効くスプレータイプの薬しか使ってないから、余計に治らなかったのかもしれない。
肥料の上げすぎで調子が悪くなったのは明確なので、あんまり手をかけすぎるのも良くないというのは学んだ。
冬越しさせてみたい植物は幾つかあるのだけれど、全部を屋内に入れて管理するのは難しいので、軒下において残ってくれたらラッキーというつもりで諦めてるものもある。
霜が当たりそうな日だけでも何とか対処して越させてみたいのだが。
園芸店に行くとまだ割とたくさん花が売っているが、耐寒性があまり無いものも多く売っていて買ってもすぐ枯れそうなのでどうも手が出ない。
パンジー、ビオラは寒さに強いので大丈夫ののだけどあまり沢山買っても植える場所に悩む。
寄せ植えでも作るかなあ。
アネモネとか、見かけないけどラナンキュラスラックスとか寒さに強いものは植えてみたい。
エキナセア好きで苗も売っているのだけど、今は完全に地上部は枯れた状態の苗なので本当にこれあったかくなったら出て来るのか?と不安な気持ちになるのと、しばらくは見た目が何も面白く無いので買おうか迷ってしまう。
リーフ類は欲しいものがあるので、それでも買って気を紛らわすかな。
何にしても、しばらくは植物は成長しないので、面白みはあまりない。
あ、寒さに強い多肉はすごく元気だ。さて、金曜はアイカツ!のオールナイト上映+トークショーがバルト9である。
バンダイチームにいた人が出てくれるので、私も知らないような話が聞けるかもしれない。
その次の週はあかりジェネレーションのライブである。
それなりにどれも楽しくなると思う。
パソコントラブルで仕事の進捗は良く無いのだが、ちょっとした発見もあり怪我の功名のようだ。
今仕事をしているスタジオがデジタル環境を用意してくれたので、おかげで止まらずには済んでいる。
自宅のこれどうにかならんかな、と思っていたことが古いパソコンを外してケーブルの配置なども見直したら何とかなることに気づき、とにかくたまにいじってみるのは大事だなと反省した。
一度決めたら面倒臭くて見直したりしないタイプなので。
今年は体調が復調しつつの冬になりそうだ。
最近何らか調子を崩していたので珍しい。
来年というか今取り組んでいる作品は運が良ければ結構面白くなりそうなので、幸先はいいのかもしれない。 -
劇場版アイカツ!舞台挨拶【2024年12月02日】
どうもパソコンが突然逝ってしまったらしい。
なぜこの忙しいタイミングで…と思わずにはいられない。
季節の変わり目はパソコンも調子を崩しやすいということなのかもしれない。
調べた限りは限りなく望み薄な状態のようだ。
もうだいぶ使ったご老体だったので仕方無いといえばそうである。
電源は入るものの内部のハードディスクを認識できないらしく、中を覗くことも難しそうだ。
幸い仕事のデータはバックアップがあるし、他のデータも前日までのバックアップが生きていたので特に重大な損失は無さそうなのだが、憂鬱な気分である。
この文章はサブのラップトップで書いている。
いま、仕事は基本的に全てデジタル化してしまっているのでコンピューターがないと何もできない。
紙と鉛筆であれば調達は非常に容易なのだが、パソコンはどうしても新調するのに時間がかかる。
完全デジタル化も考えものか、と思ったりするが特に商業アニメはもっとデジタル化しないと効率が悪くて敵わんので後戻りはできない。
土曜日は劇場版アイカツ!の舞台挨拶があった。上映後と上映前の最近よくあるパターンで2回。
すぅちゃんと二人でというのは初めてのようだ。
すぅちゃんと会うのは久しぶりというわけでも無いのだけれど、いつもの笑顔を讃えて見せてくれてほっとする。
舞台挨拶での私の話は、結局どこかで話したことがあるような内容ではあったけど、すぅちゃんのトークが冴えていてお客さんは十分満足であっただろう。
10年の間にすぅちゃんのトーク力は随分と上がった。そりゃ、どれだけ沢山舞台挨拶やらイベントやらで喋ったか分からないくらいだろうから当然と言える。
場数だけではなく確実に大人になっていて、昔だったら照れて出てこなかっただろうな、と思うようなセリフもポンポン出てきて隣で聞いているのが大変面白かった。
ほとんどが、再見の人だったけれど中には初めて見るという人もいたのが驚き。
付き添いで来たのだろうかなどと推察していたのだが、新しい観客が来てくれるのは嬉しいことだ。
初日で結構動員が有ったようで数字を聞いて少し目が丸くなった。
長く愛される理由は何処にあるのでしょう、というような質問が舞台挨拶の中であったけれど、そりゃあ制作者には分からない。
もちろん推理はするけれど。
「作品」というのは作品と観客の間に立ち現れるというのが私の考えなので、どんな作品でも究極的にはその人それぞれの理由が作品と観客とを繋ぎ止めていると思っている。
大きく似たようなところが共通して響いているということはあると思うけど、それを探り当てただけでは良い作品は作れないのじゃなかろうか。
じゃあ、何処へめがけて作るんだよ、と言われれば一応ストライクゾーンのようなものは想定している。
ヒット、と呼ばれるようなものは作品そのものだけでは無くて周りの状況とも相まって作られるので作品がよく出来ているからヒットするというわけでは必ずしもない。
ただ、良い作品でなければ長い年月残っていかないのは間違いはなくて、商売と良い作品を両立させるというのが難しいところなのだと思う。
しばらく前に九州の大学生からアニメの音響についてのインタビューを受けたのだが、その研究の発表が行われるらしく発言内容の確認のメールが来ていた。
私の他にも結構すごい人が協力していた。
アニメの研究をしている人は最近増えていて、隔世の感がある。
発表が上手くいく事を祈ろう。
富野由悠季の「映像の原則」が再販しているのでパラパラと本屋で捲ってみたが、結構良い本だという気があらためてした。昔発売された当時読んで以来なので内容はあまり覚えていないのだけれど。
あとで買って参考にしよう。
幾つか「絵コンテで学ぶ演出」用の資料は当たりはつけてある。
放っておくと面倒くさくなるばかりなので、少しづつでも進めたい。 -
アイカツ!劇場版再映【2024年11月26日】
そういえば、劇場版アイカツ!が今週末から再上映される。
もう劇場版初上映から10年だそうで、早いものだなぁと感慨に耽ってしまう。
土曜日には池袋のグランドシネマサンシャインで諸星すみれちゃんと舞台挨拶がある。
劇場版は結構たくさんイベントをやっていろんなことを喋ったので何を話そうかと考えている。
運営からの質問アイデアはあるものの何か話してないような思い出があったかな…と。
10年で随分いろんなことを忘れているので(何を話したかも忘れつつある)繰言のようなつまらない話にならないようにしたいものだが。
すみれちゃんが一緒にいるので、殆どの人は彼女を見るだけでも来た価値はあろうと思うのが救いである。
アイカツ!は定期的に昔を思い出す機会が訪れるので比較的に思い出せることは多いと思う。
当時、プロモーションで結構駆り出されて色んな事をさせられた記憶がある。
今も監督はプロモーションに寄与出来ているのだろうか…と甚だ疑問なことはあるのだが、体験としては面白かった。
今思えば、最初の頃は舞台挨拶も緊張していた。
初めての舞台挨拶は豊洲の劇場だったように思うが、控室では全く緊張を感じていなかったのだけれど、客前に出て急激に緊張したのを覚えている。
そりゃあ、結構大きなスクリーンだったし新人監督としては仕方ないだろう。
笑いの一つも取ってやろうと思っていたのだが、ジョニー役の保村さんがクルリと回って(控室では絶対パフォーマンスはやらないとか言っていた気がするが)華麗に笑いを取ったのを横目に見て感心するばかりだった。
大阪でも舞台挨拶とテレビ用のショートのインタビューとか。
告知を噛まずに言うのがいかに難しいか思い知った思い出がある。
コメンタリーなどのトークショーも凄くたくさんやった気がする。
殆ど私が司会進行のような形で90分のコメンタリー上映をやった時は流石に少し喋りが上手くなったような気分になれた。(大したこたぁないのだが)
何かの(アフレコだったか?)イベント終わりで予定していなかったスタッフが沢山参加してくれて助かった。
ただ喋るだけでも90分は非常に喉が疲れて大変なのだ。
そもそも、喋る内容などをある程度は考えておけば少しは上手く話せるのに、打ち上げの挨拶などですらその場の思いつきで喋ってしまう。
最近は良くも悪くも場慣れして緊張することもあまり無くなって上手くはないがリラックスして話せるので(トチっても気にしない)聞いてる方も楽しく聞いてもらえてると思っている。
一人でカメラに向かって話すようなコメント撮り的なものはいまだに苦手で、客前で話す方が気楽だ。
確か、バルト9でやった舞台挨拶の後、近くの交差点でファンの男の子が待っていてサインを求められた。
サインなど求められたことが無かったので普通に名前を書いただけだった。
アイカツ!に勇気づけられました、ありがとうございました的な事を言ってくれたのだが、ありがとうはこちらのセリフである。
この仕事をしていて、まさか誰かに感謝の言葉を貰う時が来ようなどとは思いもしていなかった。
子供向けであるし、素朴に面白ければ良いというつもりで作っていた作品なので、自分の想像を超えた反応に戸惑いというか申し訳ないような気分になったこともあるのだが、(何度も書いた気がするが)貴重なありがたい経験をさせてもらった。
劇場版は自分で絵コンテを描いているわけでもないし、演出もやっていないし、本当に周りのいろんな人の力で出来た作品だった。
自分の仕事のほとんどは、加藤さんとの脚本作りの中に集約されている。
当時の自分に出来ることや思いは全て投じて作った作品ではあるので、それが今だに多少なりとも人の心に残っているというのは嬉しい限りである。
久しぶりの劇場での上映なので、お時間のある方は是非見てほしい。
会える方は、土曜日に劇場で会いましょう。 -
ペットロス【2024年11月18日】
猫との別れは何度経験しても慣れないもので…。
具合が悪そうだな、と気付いてからあっという間に逝ってしまった。
4ヶ月ほど前の検査では、まずまずだったのだが、先週末ご飯を食べなくなって病院へ連れて行ったのだが。
膀胱の脇に腫瘍が出来ていたらしく、それが静脈を圧迫して歩行も難しくなっていた。
歩きづらそうだな、と思っていたが猫は痛みを我慢するので、そこまでクリティカルな原因があるとも思わずにいた。
腎臓の数値も悪くなっていて、しかしまだ何とかという所だったようなのだが腫瘍との相乗効果か急速に体調は悪化したようだ。
ここ最近の急な寒さで激変したのかもしれない。
まあまあ歳だったので仕方ないないと思うのだが、もう少し上手く対処してやれば楽に逝けたのかななどと詮無いことを考える。
しかし言葉の通じない猫の変化を素人が察知するというのは、なかなか難しい。経験を積めば重要な変化に気づけると思うのだけれど。
人間というか、自分自身のことですらままならないのだから。
ペット界隈の医療は二極化しているそうで、街のホームドクターと大学など専門機関。高度な医療を施すところは、とても高い医療費を取るらしい。
専門の機関だと検査で20〜30万、手術で40〜50万、合わせて100万くらいしてしまうとか。
確かに、前の猫で検査してもらった時は結構取られた記憶がある。
老齢の犬猫に高い手術をしたとて、そう長く寿命が伸びるわけでも無い事が殆どだろう。苦痛は取り除いてやりたいが、さすがに何処まで手をかけるか悩ましい。
もうしばらくはペットロスから抜けられなさそうだ。もう11月も半ばを過ぎてしまった。
来年は頭からバタバタしそうだし、なんだか余裕がない。
とある原作者の人に、コンテの絵が綺麗で驚いた、というようなことを言われた。漫画のネームのようなものかと思っていたと。
まあ確かに漫画のネームよりはアニメの絵コンテは詳しく絵が描かれている事が多いかもしれない。
これは良し悪しがあって、そもそも絵コンテだって漫画のネームのようなかなりラフな絵でも問題がないはずだ。
ラフな絵ですめば、そちらの方が圧倒的に早く描ける。
漫画と違ってアニメは大勢の人間が関わるので下書きも他人が分かる絵である必要性が少し高い。
しかし、必要な情報が分かればそれほど丁寧に描く必要もないわけで、現状の絵コンテの几帳面さはアフレコが絵コンテを撮影した映像で行われるという場合があることへの対処という側面が強いように思う。
もちろん他にも(絵的に)詳細な絵コンテが描かれる理由はあるのだが、スピード重視で描かれる事があまりないのは、殆ど上記の理由ではないだろうか。
世の中には凄い人がいて頼んで10日もあれば詳細な絵が入った絵コンテが上がってくることもある。
しかし、それは稀で普通の人だと一本の絵コンテを上げるのに3週間から6週間くらいが平均だろう。(もちろん他の仕事もしながらのスケジュールなのだが)
ただ、ラフだけだったら2日3日で出来てしまうという人は少なくないのではなかろうか。
ラフだけ演出家が描いて、清書をアニメーターに任せるようなやり方も有りそうだが実際は殆ど例がないと思う。
絵コンテについては、もう少し効率的な方法が色々な形で模索できそうなのだが、なかなかそうはなっていない。
絵が綺麗だと褒められるのは嬉しいのだが、問題の多い工程でもある。泣きつかれて急ぎの絵コンテをこなしたりアイカツ!のイベント用の仕事があったりと10月末から忙しくてしんどいが、あと半年くらいはこんなこんな感じなのかもしれない。