植物いじりが唯一の楽しみになりつつある今日この頃。
秋は園芸シーズンで花苗などがたくさん出回るのだけれど、植物によっては寒さが苦手なものもあり鑑賞期間がそれほど長くないものもある。
0℃を下回ったとき枯れないかどうかが分水嶺なのか、マイナス何度かまで耐えられるものなら冬越しできるみたいだ。1年草として、枯れるまで鑑賞するという花が沢山あるのだということを最近知った。
とはいえ、1月くらいまでは、そう寒くならないので大体の花は鑑賞できそう。
寒さに強い植物は、逆に暑さに弱くて夏に枯れてしまうものが多いらしい。
特に最近の夏の暑さ(今年はやばかったようだ)は暑さに強いものですら枯れてしまうこともあるという。
大体の花苗は大して高くなくて、無限に買ってしまいそうになるのだが、鉢が意外とお金がかかる。
焼き物などだと大きさにもよるが、そう気やすく買える値段でもない。
しかし全てを地植えできるほど広い庭があるわけでもないので、やはり鉢がメインになってしまう。
そもそも庭木を剪定するのに時期やらなんやら調べているうちに、園芸種の花に綺麗なものが沢山あることを知り、狭い庭でも工夫次第で意外と綺麗に育てたり飾ったりしている人がいることを知り、道を歩いているときに他人様の玄関先の植栽が目に入る様になり、上手な人は本当にオシャレに飾っているのが分かると真似をしたくなって園芸店に行ってみると楽しすぎて完全にハマってしまった。
園芸店はちょっと離れたところにあることが多くて車のない私は徒歩で運ぶしかなく一度にたくさん買えないのが残念なのだが、それでも毎日でも行きたくなってしまってグッと堪えている。
通販でも結構買えるのだが、やはりものを見て選ぶ楽しさは代え難い。
玄関先に死ぬほど鉢が置いてある(が管理しきれていない)家が結構あることに最近気づいたのだけれど、気持ちが非常に良く分かる。
大きな園芸店は大概郊外にあって車が無いととても行けないところが多い。しかし実は都心にも有名な園芸店の支店があったり、探すと意外に自宅の近くにもあったりして驚いた。
暇なら延々と巡りたい。
なんでこんなにハマっているのかよく分からないけれど、とにかく土を触っているだけでも楽しい。割とズボラでもそれなりに育ってくれる植物も沢山あって初心者でも意外にとっつきやすい。
最近気に入ったものはチョコレートコスモスでチョコレートの様な香りを発する。普通の品種は寒さに弱くて冬越ししないらしいが、改良されて頑張れば冬越しできる品種とのこと。冬を越えれば四季咲きとして楽しめるそうな。
冬は屋内に入れておけば大丈夫なのだけれど、寒さに弱い植物を全部中に入れていたらキリがないので、苦渋の選択を迫られるかもしれない…。
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三人吉三、とエビデンスとか【2024年09月28日】
もう9月も残り2日。
今週はちまちま仕事とJAniCAの理事会があったり。
そういえば、いま「マンガ、アニメ、特撮、ゲーム等の国際的な振興拠点及びメディア芸術連携基盤等整備推進に関する検討会議」というのをやっている。申し込めば会議の様子をYouTubeを通じて動画で見られる。
博物館的なものを作ろうという計画があってその会議。
石破茂が自民党の総裁に決まったが、石破さんはオタクなので、もしかしたら本当に箱物が出来るのかもしれない。
緊縮であっさり無くなる可能性もあると思うが、実際できたとして他の分野はともかくアニメ・特撮は報いることができるのだろうか。
アニメは一応外貨を稼げそうな雰囲気はあるけれど、ほとんどの現場には今だに余裕のある予算は無いので疲弊して倒れるのとどっちが先かのチキンレースだ。
あ、週の頭はOTOの周年に行ったのだった。お祭り感があって久しぶりに楽しかった。
今日は木ノ下歌舞伎「三人吉三廓初買(さんにんきちさ くるわのはつがい)」を観劇。
間に休憩が25分、20分とあるけれど三幕5時間20分ほどの長丁場。
面白かったので、あっという間ではあったけれど、さすがに膝が少し痛い。
木ノ下歌舞伎は歌舞伎を現代語訳&現代的演出で見せるので素人でもとっつきやすい。
歌舞伎通の客も結構いるのだろうが。
最後はスタンディングオベーション、カーテンコール4回もやってくれたらそりゃ皆んな立つよね。
筋立ては、親の因果が子に報い、あらゆる登場人物が縁を結んでいることが徐々にわかり、それぞれ破滅を迎えていく。濃厚な親子の関係がモチーフになっていて重たいが重すぎて現実味がないというようにも思える話。
若い頃だったら嘘くさい様な気もしていたかもしれないが、今見るとシリアスでゾッとする。
家族というのは病の温床だが、さりとておかげで生きていけることもあるという厄介なものだという様なことをとある精神科医が話していたのを思い出したりもした。
鹿島茂は小説は結局、家族の話だけだというようなことを言っていた。
科学の発展で自然からはある程度距離を置いて生きることができる様になったものの、人間同士が距離を置くのは容易ではないよなー。
しかし、そんな重い話を外連味たっぷりに見せているからこそ、今でも人気の戯曲なのだろう。
ラストにかかる挿入歌はTaku Takahasi、ラップのリリックをロロの板橋駿谷がやっているのも面白い。
大脇幸志郎「なぜEBMは神格化されたのか・誰も教えなかったエビデンスに基づく医学の歴史」が面白そう。
本の紹介によると
エビデンスに基づく医学(EBM)という言葉が、あたかも医学が事実の裏付けのない空理空論からすでに脱却したかのような含みで語り交わされている。しかし、実際には医学における重要な判断にエビデンスが必須どころか努力目標としてすら求められていないという事実がある。
本書は、公衆衛生の発達、臨床医学の飽和、薬害事件による臨床試験の制度化などを背景として医学が統計技術を取り込んだ歴史や、EBMという言葉を考案した人物たちの来歴を紹介する。さらに、エビデンスについての誤解や拡大解釈から発展していくイメージとの相互作用に注目することで、医学が生産的に実証性を維持するための課題を探る。巻末に索引、用語解説、年表、主な登場人物一覧、医学雑誌歴代編集長一覧などを付する。
ということらしい。
エビデンス…と言われると弱いね。
大脇氏とシラスで対談していた松本俊彦氏の本も読んでみたいのだが…。
積読をもう少し解消してからか。
今週の積読消化。
だいぶ前に買っていた渡辺大輔「明るい映画、暗い映画」、藤山直樹「集中講義・精神分析(下)」
渡邊大輔氏の本は結構面白かった。
しかし、前半の批評は映画のための批評という感じで外側にあまり開かれていく感じがしなくて、そこは苦手。
後半の普通の映画評の方が面白い。
とくに鬼滅の刃については全く同意。
藤山直樹氏の方はフロイト以後の精神分析の歴史。本当にざっとさらっていく感じなので、興味のあるところは参考文献に上がっている本を読まないとよく分からない。
精神分析は実践がないと本を読んだだけでは何も分からない、と藤山直樹は言っているが。
精神分析には暇とお金がかかるので、無理じゃん?
精神医療は最近やっと少し理解できた気がするが、結構勉強しないとよく分からないし、イメージが掴みずらい。
いま?NHKで統合失調症に関するドラマがやっているけれど、精神科や心療内科は、外科・内科みたいなわかりやすさや親しみがない。
子供の頃から通い慣れてれば何となくイメージもつくのだが、そんなことはないので。
情報は探せば結構あるのだが、パッと感覚的に鷲掴みにすることは難しいし、1冊2冊、本を読んでも分からない気がする。なんとかならんもんか?
訃報・仕方ないのだが【2024年09月21日】
同世代の知人の訃報を聞く。
次の仕事で関わっていたので、そのうち会えるだろうと思っていたのだが突然の知らせに驚くほかない。
しばらく闘病していたとのことだった。
出会ったのはもう20年くらい前でお互いに新人だったが、彼は各所で活躍して気付けば立派な経営者になっていた。たまに仕事場が重なった時ににこやかに挨拶してくれたのを思い出す。
彼の会社が次の仕事に関わっていたので久しぶりに名前を聞いて会えるのを楽しみにしていたのだが。
50も過ぎれば人間いつ死んでも仕方ないよな、と思ったりはするのだが、残念だ。
今週はデスクワークと打ち合わせ幾つか。
STORYBOARD PROの新しいのをスタジオ用に導入したものの、WINDOWSに慣れていないなどありセッティングに時間がかかりそう。
生育旺盛で初心者でも育てやすいはずの植物を少し涼しくなったからと思って植え替えしたら、どうもそれが悪かったらしく急速に元気がなくなり枯れそう。
苗を見つけたらまた挑戦。
ちまちまと仕事、最近読んだ本【2024年09月16日】
9月頭、多少落ち着きはしたもののチェック物が絶えずやってきたり音響作業やら会議やらで地味に落ち着かない。
合間にコンテ作業もちまちまと。
立て込んでいるようだが、先のことはまるで決まっておらずで、どうしたものやら。
いつものことではあるのだが。
連休なことに気づかなかった。
祝日だから休みという仕事ではないので気にしていなかったのだが、最近は制作スタジオが休みをとること(建前的には)が多くなり、メールなどが減るので少し落ち着いたような錯覚を起こす。
YouTubeでBLUE SEEDというI.Gが制作のアニメを無料公開しているのを目にしてタイトルは知っているが見たことがなかったので頭の方を流し見してみた。
YouTubeはいろんな作品が無料公開されていて、作品によっては全話見られるものもある。
ひと昔前は無料公開なんてとんでもない、収益の損失だ!的な業界の空気だったのだが変われば変わるものだ。
商売の規模が大きくなったからこそ、こういった無料公開も可能になったということであるのかもしれないが。
それはともかくBLUE SEED、テレビアニメとは思えないクオリティである。少なくとも1話はビデオアニメのような完成度だ。スタッフもデザイナー・作監が黄瀬和哉だったりでI.Gのメインスタッフを突っ込んでいる感がある。
予算は、それほど出ていたとは思えないが…。
放映が94年の秋番組なのでエヴァの1年ほど前になろうか。
この頃のアニメ業界の隆盛を感じさせる。
制作がI.Gと葦プロが組んでいる。プロデューサーに下地さんの名前もあり、この辺りの縁で下地さんは葦プロを辞めI.GグループとしてXEBECを作ったということなのだろうか。
テレビの後のビデオシリーズはI.GとXEBECで作っているようだ。
今では絶対にCGを使うであろうヘリコプターやら車やら手描きでがっちりと描いてある。
*追記:初回でヒロインのスカートが破けパンツ一丁で逃げ回るという仕掛けに、のどかな時代を感じさせる。(女性客を基本的に相手にしていないということだ。今でもエロはあるのだが、この作品は今だったら特に男性向けに限定されることはない気はする)
ほんとにすごい。メカカットは1カット1万円くらいは出ていたのだろうか。
当時のテレビの平均的な1カットの単価は3500円くらいだと思う。
3500円………正直、私が仕事を始めて単価を知った時は衝撃を受けた。
バブルは弾けたとはいえ、世の中にはまだまだ金はあったはずで、なんでこんなアホみたいな安い値段で作ってるんだと思ったものだが(バブル真っ最中も安い値段で作っていたんだろうし)今、どのくらい変わったのかというと、まあだいぶマシになったとは思うのだが、まだまだである。
ダンピングでたくさん売って儲ける昭和の商売みたいな状況は長らく続いていた。
今は外貨が業界を支えているので、安くはあるが随分制作費は上がった。
話が横に逸れたが、90年代あたりまで、今では金をかけたとて出来ないようなクオリティのアニメがかつてはあった。ほんとに何であんなものが作れていたのか不思議というような作品がある。
ほとんどは若さが支えていたと思う。
しかし、若さは失われた。
今もまた、すごいアニメは作られているが、昔よりは格段にしっかり金をかけて作っているように思う。
金があるだけではクオリティは上げられないのだが、制作会社によっては人材を育てたり集めたりを頑張っていてすごい作品ができている。
一方、中堅の会社は苦労している印象ではあるのだが。
明石市が作ったという、市の歴史を語るアニメ「明石と時のこどもたち」もYouTubeで見られるのだが(小黒さんが紹介していて知った)91年制作、制作会社は亜細亜堂。芝山さんが監督で柳田さんが作監でメカなどは出てこないが、びっくりするような出来だ。
時代の豊かさを感じる。
とめどなく色々書いてしまいそうなのでこの辺で。
最近読んだ本、東畑開人「雨の日の心理学」素人向けにカウンセリングの技術を噛み砕いたという本だが具体的で比較的わかりやすい。東畑の他の本に書いてある内容と被るところもあるが、まとまりとしてはこれが一番まとまっているのかもしれない。広い意味で誰かの手助けをしている、あるいは手助けを必要としている人がそばにいるような人にはお薦めだし、介護や子育てで疲れている人にも役立つという気がする。
積読が過ぎるので、何とか解消したい。
机の横に積んである本をパラパラ読むと面白いものが沢山あるのだが、放置してあるもの多数。
信田さよ子が初めて本を出したのが50過ぎてからとか、私も頑張って小説でも書こうか…。
ストリーボード作成で学ぶ演出(のための準備)【02】
chatGPTが出してきたストーリーボードを新人に教えるための項目
- 目的の理解
- シナリオの解釈とシーンの分解
- カメラワークの基本
- 構図とレイアウト
- キャラクターの動きと表情
- シーンの繋がりとテンポ
- 映像言語の使い方
- ライティングと影の活用
- 音響や音楽の考慮
- フィードバックの受け入れ方
これはこれで的を得ていると思いつつ私が普段教える時は、以下のような要素を意識している。
- カメラの高さについて
- サイズの選択について
- 写す対象について
- イマジナリーラインの理解
- 二人の会話
- 三人(多人数)以上の会話
これだけ。これだけというか、2人の会話も3人の会話もイマジナリーラインのサブ項目なので、大体4項目。
普段は描いたコンテとシナリオをもらって添削のような形で教えることが多いのだけど、やはりあまり難しいことを言っても伝わらない。ので、なるべくシンプルに教えようと心がけてはいる。
シナリオの解釈は頭の1、2、3に関わるのだが、ここはとても難しい。
アニメの絵コンテでは、実写では別の役職が担っている仕事を一手に引き受けているため、新人さんは混乱してしまうことが多いという気がする。
・映像のつながりを決める
・キャラクターの演技を作る
このうち演技の方は、実写では主に役者が担っているのだけれど、アニメの場合演出家(の描いた絵コンテ)でかなりの部分を想定することを要求される。
この演技を考える部分が、かなり難しくて教えるのにも困難がある。私もあまりまともに教えられる気がしない。
しかし、映像のつながりを決める部分に限定するとそれほど難しくは無いのではないかと思っている。
まずは、この2つを分けて考えることがストーリボードの理解の助けになるのではないか。
その場合、シナリオの解釈はどこまで必要なのか?
シナリオの読み方をそもそも先に教えた方が良いのではないか?
という気もしてくるが、それはそれで大変なことなので、なるべくシンプルに同時に教える方向で考えてみたい。
シナリオの解釈を教える場合、「誰が、どこで、何を、どうした」5W1Hの理解と表現が基礎。
あとはキャラクターの感情とそのつながりの理解。
演技はそれ単体で非常に奥深い技術が蓄積されていると思うが、私は詳しくないので調べる必要あり。
演技メソッド的な本はたくさん出ているのである程度漁ればざっくり把握は可能かと思われる。
アニメの演技は表現の幅など人間のそれとは違う。
またアニメ的キャラクター独特の表現の難しさ(視線の問題など)があるので、そこは教えられると良いかもしれない。
絵的な表現についても私はあまり詳しくないので、ざっくりと調べる必要あり。
パース、構図の一般的な技術など。
・対象の選択
超初心者向けに教える内容と中級者以上向けに教えるのでは内容が大幅に違ってくる。
まずは超初心者向けの内容について考えてみるか。
やはり重たいが、まあ進めてみよう。
藤井誠二「贖罪:殺人は償えるのか」藤山直樹「集中講義・精神分析㊤─精神分析とは何か フロイトの仕事」【2024年09月08日】
藤井誠二氏の本を読むのは、ものすごく久しぶり。淫行条例の本を読んで以来か。古田徹也氏との対談を見かけたので興味が湧いて読んでみた。
長期刑の殺人犯との手紙のやり取り(ほとんど殺人犯の手紙)を紹介した本だが、贖罪についても考えさせるものはあるが、犯罪者が点というよりは人間のつながりの中で現れる断面のようなものだということを強く感じる。被害者対策の薄さなど重大犯罪周辺の事情も結構紹介されている。気が重くなるが…良い本だ。
藤山直樹の方はフロイトのざっくりした伝記をよすがに精神分析の歴史について語るという本。まずはフロイトを読めというのはよく分かった。
下巻はフロイト以降の精神分析の歴史。こちらの方が知らないことが多くて面白そう。
精神医療と精神分析は基本的に違うものなのだ、というのが藤山の主張というか認識で、しかし実際は中間的ないわゆるカウンセリングという精神分析的心理療法というのは行われている。精神医療の分かりづらさの一端なのかもしれない。ちなみに藤山は精神科の医師で精神分析家は基本的には精神科医でないと資格がとれない。
フロイトの顧客は金持ちばかりで、富裕層が初期精神分析を支えていたらしい、今は精神分析を医療として行うには金げかかりすぎるということらしい。
安くなれば、精神分析が犯罪者の更生の方法論の一つとして機能したりするのかもしれない。
それはそれとして、物語作りなんかにも精神分析は面白いと思う。
加藤公太さんの解剖学の同人誌も届く。思いのほか充実の本。
東畑開人の新刊も買わなくては。
ストリーボード作成で学ぶ演出(のための準備)【01】
たまーに若い子に絵コンテを教える機会もあり、なかなかオーソドックスな絵コンテのスタイルや描き方は教えられていないのだなと思うことがしばしばあった。
なので、絵コンテに興味がある人向けに教育的メソッドを作ってみようと思い、しかし一から作るの手が掛かるのでどうしたものかと思っていたが、電車の中で半分暇つぶしに、絵コンテ制作を新人演出に教えるアイデアを提案せよとChatGPTに投げてみたところ、意外とまともなアイデアが返ってきて大変驚いた、と共にこれを叩き台にして作れば、あまり時間をかけずに出来るかもしれないと思ったので早速始めてみることとする。
以下はchatGPTの提案である。
ChatGPT
新人の演出家にストーリーボードの描き方を教える場合、基本的な技術から応用まで段階的に教えることが効果的です。以下の順番で教えると、理解が深まりやすいです。
1. ストーリーボードの基本的な目的を理解する
- 目的の説明: ストーリーボードは、シナリオを視覚的に整理し、映像の流れを決定するツールであることを説明します。キャラクターの動きやカメラの視点、シーンの構図などを計画し、チーム全体に作品のビジョンを共有するために使われることを強調します。
2. シナリオの分解と解釈
- シナリオの分析方法: まず、シナリオをシーンごとに分け、必要な演出要素(アクション、対話、感情表現など)を把握する方法を教えます。
- 重要シーンの特定: ストーリー全体の中で特に重要なシーンやクライマックスを特定し、その部分を重点的に描く技術を学ばせます。
3. カメラワークの基本
- 視点とアングルの基礎: 視点(主観/客観)やカメラのアングル(高い視点、低い視点、横からなど)の違いが映像に与える効果を説明します。
- カメラの動き: パンやズーム、トラックなどのカメラの動きをストーリーボードでどう表現するか、動きに合わせてシーンをどう切り替えるかを教えます。
4. 構図とレイアウトの基礎
- 三分割法や視線誘導: 三分割法などの基本的な構図のルールや、観客の視線をどこに誘導するかを学びます。
- 空間の使い方: キャラクターやオブジェクトの配置が、シーンの緊張感や動きにどのような影響を与えるかを説明します。
5. キャラクターの動きと表情の描写
- アクションの分解: キャラクターの動き(歩く、話す、戦うなど)をどのようにコマ割りで描くか、動きの流れやスムーズさを意識したストーリーボードの作り方を教えます。
- 表情の変化: キャラクターの感情を伝えるための表情の変化をどのように描き、シーンに反映させるかも重要です。
6. シーン間の繋がりとテンポ
- シーンの切り替えと繋がり: シーンのスムーズな切り替えや、ショット間のテンポの取り方を説明します。カット間のリズムやテンポ感が、視覚的な効果や感情の高まりをどう変えるかを学ばせます。
- テンポとリズムの重要性: アクションシーンと静かなシーンの対比や、リズムを意識した編集の仕方を教えます。
7. 効果的な映像言語の使い方
- 象徴やメタファーの導入: ビジュアルに意味を持たせる方法や、観客に暗示的に伝える演出手法を紹介します。たとえば、特定の色や形がシーンにどのように意味を加えるかを学びます。
- サブテキストの表現: キャラクターが話している内容以外の、裏の感情や状況を視覚的にどう表現するかを教えます。
8. ライティングと影の活用
- 照明効果の理解: 光の当たり方や影の使い方が、キャラクターやシーンの感情にどのような影響を与えるかを説明します。
- 時間帯や天候の表現: ストーリーボードで時間の流れや天候の変化をどのように描写するかを学ばせます。
9. 音響と音楽の考慮
- サウンドキューの入れ方: ストーリーボードには音響や音楽の指示も含める場合が多いため、どのタイミングで音が入るか、シーンに合わせた音響演出の指示を追加する技術も教えます。
10. フィードバックの重要性
- フィードバックを受け入れる姿勢: ストーリーボードはチームで共有するものであり、他者からのフィードバックを受けることが重要です。建設的な意見をどのように反映させ、より良いストーリーボードにするかを教えます。
教える順番のまとめ
- 目的の理解
- シナリオの解釈とシーンの分解
- カメラワークの基本
- 構図とレイアウト
- キャラクターの動きと表情
- シーンの繋がりとテンポ
- 映像言語の使い方
- ライティングと影の活用
- 音響や音楽の考慮
- フィードバックの受け入れ方
新人には、まず基本的な要素を学ばせ、徐々に複雑な技術やクリエイティブな要素に移ることで、全体的な理解を深められるようにすると良いです。
とのことだった。
かなりそれっぽい。
イマジナリーラインについて触れられていなかったので、
あなた:イマジナリーラインについて教える場合、上記の項目の中の何処に追加するのが良いですか?
と質問すると以下の答え。
ChatGPT:
「イマジナリーライン(180度ルール)」は、カメラワークの基本やシーン間の繋がりとテンポに密接に関連しているため、これらの項目の間に追加するのが良いです。
具体的には、以下の位置に追加することを提案します:
3.5. イマジナリーラインの理解
- 180度ルールの説明: イマジナリーラインとは、シーンにおけるキャラクターやオブジェクトの位置関係を保つために、仮想的に引かれる線のことです。カメラがこのラインを越えて位置を変えると、観客がキャラクターの位置関係や動きを混乱する可能性があるため、基本的にはラインを超えないようにします。
- シーンの連続性: イマジナリーラインを守ることで、視覚的な連続性が保たれ、観客が自然にシーンを理解できることを教えます。
- ルールの活用と破り方: ルールを意図的に破って感情の変化や混乱を演出する方法もあるため、その使いどころについても説明します。
このように、カメラワークの基本に関連した要素として教えるのが最も自然で効果的です。カメラアングルや視点と密接に結びついているため、このタイミングでイマジナリーラインの概念を導入すると、より理解が深まります。
なるほど…と感心。
これをさらに詳細にしたアイデア出しもしてもらったのだが、一般的に教えていそうな項目を多数並べてくれた。
が、詳細になるほど抽象的になっている印象。
しかし、根本的なことには何も触れられないまま、理屈めいた映画の理論が教えられていることは今も普通に起こっていそうな気がする。
そもそもの話ではあるのだけれど、映像文法は数学のようなものではない。
音楽のメソッドなどに近い。
短調は長調に比べると暗く聞こえる、と言われているが、それは数学の法則のように理由が説明されているわけではない。(認知心理みたいなもので説明を試みられてはいるのかもしれないが)
ポップスのコード理論なんかも、こういうフワッとした経験知的なものをベースに作られていると思うのだが、映像文法も似たようなものだと思う。
ほとんどの事は経験的な感覚を下敷きにして作られているので、時代によって変わることもあるだろう。
歴史、積み上げてきたものが大事なのだ。
理論は割とフワッとしたまま、感覚だけで作品を作っている演出家も少なくはないと思う。
私も大学で多少教育は受けたもののかなりフワッとしたまま、言語化しないまま仕事をしている部分も多い。
しかし、経験に頼りすぎるのは若い人が演出を学ぶ時、人によってはえらく時間がかかってしまう原因になりやすいように思うし、全く出来ないまま終わるということにもなりかねない。
映像文法は今まで人間が「映像から物語を理解する」にはどうしたら良いかという経験知の集積なので、そういう意味で有用だと思う。
私は映像文法の基本部分は極めて簡単だと思っていて、骨格だけ覚えたら、あとは経験値で膨らませ応用を考えていく他にないように考えている。
GPTが挙げていることは重要だが、「物語を映像で表現する」ための方法という映像全般の技術の中の限定的な分野の事でしかないので、全部を理解している必要はないし重要度も項目によってかなり違う。
4の構図とレイアウトについてなどは私の場合はかなりいい加減に考えている。
色々整理しながら、初学者が分かりやすいようにと、形式主義に陥らないように演出の基本をストーリーボード(絵コンテ)作りから学べるような方法を考えてみようと思う。
まずははここまで。
台風はやりすごせたらしい【2024年09月01日】
台風10号がとにかくゆっくりと進んで来ているようだが関東に上陸せずに新潟の方へ抜けて温帯低気圧に変わるようだ。
各所影響を被ったところも少なくはなさそうだったが、少し安心。
気温もここ1週間くらいで随分下がってきたように感じる。
涼しくなってきたので、セールで買った植物の植え替えをしたのだけれど、あまり根は張っておらずで失敗したかもしれない。旺盛な品種なので枯れることはないと思うのだが…。
今週は比較的のんびり。打ち合わせと音響作業とデスクワーク。
音響はスケジュールが伸びたおかげで久しぶりのオールカラーでダビング。
担当演出が、すごく早くてちゃんと音がついていたと喜んでいた。
そもそも出来のいい班の仕事ということもあるのだけれど、全部色がついていれば音響スタッフも安心して音がつけられるのである。
なかなか、絵作りのスタッフには伝わらないところではあるのだが。
打ち合わせは知り合いだったので、随分色々喋った。
どっちを向いても大変そうだ…とお互いの見聞きしたことを突きあわせ唸る。
仕事が減る気配がないのは唯一の救いかもしれない。
体調が上向いたせいか少し気力も上がってきた。
しばらくこの状態をキープしたいものだ。
歯医者へ検診に行ったら、ちゃんと磨けているけど奥の歯茎が腫れているとのこと。
どうも寝ている時に力がかかっているのではないかと言われる。
変わらないようならマウスピースをするという手段があるらしいが、マウスピースをしながら寝るのはなかなか難儀そうな気がする。
この先はしばらく忙しそうなので、今のうちになるべく仕事を進めてしまいたい。
慣れない仕事へのチャレンジも待っている。
どうも仕事の告知は10月以降でないと出来なさそうだ。
ソニーのアニメ制作用ソフトとか【2024年08月25日】
制作中のアニメのアフレコが終わったりで少しほっとした週末。
多少、打ち上げっぽいことも出来るようになった昨今、役者さんとも少し話ができて楽しく過ごした。
土曜はロロの「飽きてから」を内古閑さんと観劇。
いきなり別れ話から始まるようなところが、今までの三浦さんとは少し違う感じ。
食事についての会話がいきなり別れ話に接続してしまうのは面白くもあり、とてつもなくリアルな感じもして、胸がギュッとする。
時制の繋ぎ方の面白さは相変わらずでどうしてこんなことを思いつけるのかと毎度思う。
短歌をシーンの間ごとに挟むという趣向は、考える間隙が生まれるようでなかなか良かった。
鈴木ジェロニモが歌う「瞳を閉じて」も最高だった、劇中では涙を誘うまでに至らず失敗という設定なのだが笑えながらもしみじみと響く。
ジェロニモ?何でそんな名前?と思って調べたら芸人さんらしい。
Rー1で準決勝まで行ったというwiki情報を知る。
短歌が趣味らしく、それもあってのキャスティングなのだろう。
終演後、側にいた客の会話が聞こえてきて、結構有名な歌人も見にきていたことを知る。
移動のタクシーの運ちゃんが自民との総裁は誰が良いと思うかなどと問うてきた。タクシーで政治の話などしていると危ないんじゃないかと思うが余計なお世話か。大谷翔平の話も振られたが、前日たまたまテレビでニュースを見ていたので会話になった。
ソニーが開発しているというアニメ制作用のソフトは仕上げ機能も組み込んであって、どうもガチで使えるものになりそうだ。
朝日新聞の記事によると仕上げ機能から現場投入されるようで、RETASの保守が効かない事への危機感から開発されたことが窺える。
もう10年以上前にRETASの開発は打ち切られているのだが、放置され続けてきてアニメ業界の不甲斐なさを思い知らされていたが、ここにきてやっとRETASの代替になりそうなソフトが出来そうだ。
他にも仕上げのできるソフトはあるのだが、RETASとは思想が違って、同じような素材を作るための使いやすさがだいぶん違った。
RETASの素材に業界全体は特化しすぎてしまっているのもどうかとは思うが、共通フォーマットがあるからこそ現在のような物量でアニメが作れていることは間違いない。
後継ソフトは悲願というと大袈裟だが無くては立ち行かないだろう。
庭の木を切った枝にコガネムシが付いていた。
コガネムシの幼虫は花木の根を食い荒らすので害虫とされているのだが、ゴミ袋に突っ込むのも忍びないので、そっと地面に置いた。
オリンピックも終わり【2024年08月18日】
ほとんど見なかったけれど、体操の団体とかサッカーとかちょこちょこと。
体操を見ていて楽しい。昔、体操アニメがあったけどアニメは体操なんかを描くのには向いていそうだ。すごく大変ではあるが上手くやったらすごく面白そう。
二十数年前、女子の新体操を取材しに行った時、隣で男子の新体操がやっていて、これは面白いと思ったものだが、それから幾星霜、アニメ化されたわけでスポーツでも球技より体操の方がアニメには向いている気がする。
球技の難しさは「球」と「身体」の二つを同時に動かさなければいけないことで、球技はまた団体戦が多いので余計に難易度が増す。
水泳の飛びこみみたいな個人競技の方がアニメにするなら楽そうだ。
一人ずつ演技の間があるのも良い。
新競技のブレイキンは、踊っているのは一人だが舞台上は常に二人で見ている方も動いているので、結構難しいか。
動きっぱなしはとにかく大変だ。
先週は、だいぶ引っ張っていたコンテをひとまず終わらせられた。
それで楽になったというわけでもないのだが。少し肩の荷がおりた。
も8月も後半になり、いよいよ今年も終わり…という気分になってしまう。
次の仕事の現場が動き出すのも近くなってきて緊張感が高まってきている。
次は慣れない作業を担当することになってしまったので、余裕をもって臨みたいと思ってはいたもののあまりいつもと変わらぬギリギリ感が醸し出されつつある。
制作スタジオも初めてのところなので蓋を開けてみないと何が起こるか予想がつかない。
とはいえ、面白いものになりそうな気はしている。
セールで買った夏の花が、もうしばらく咲いてくれると嬉しいが少しずつ夏の終わりを感じる。